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並列クロスビルドサンドイッチ

sbt-projectmatrix は sbt のクロスビルドを改善するために、僕が実験として作っているプラグインで、本稿は第1回第2回第3回に続く第4弾だ。0.6.0 をリリースしたのでここで紹介する。

おさらい: 複数の Scala バージョンに対するビルド

sbt-projectmatrix をビルドに追加後、以下のようにして 2つの Scala バージョンを使ったマトリックスをセットアップする。

ThisBuild / organization := "com.example"
ThisBuild / scalaVersion := "2.12.10"
ThisBuild / version      := "0.1.0-SNAPSHOT"

lazy val core = (projectMatrix in file("core"))
  .settings(
    name := "core"
  )
  .jvmPlatform(scalaVersions = Seq("2.12.12", "2.13.3"))

これはそれぞれの scalaVersion にサプブロジェクトを作る。 ++ スタイルのステートフルなクロスビルドと違って、これは並列にビルドする。これは変わっていない。

前回では % を使って依存性をスコープ付けできることを紹介した。

0.6.0 での新機能: よりシンプルなプロジェクトID

JVM2_13 というサフィックスを追加する代わりに、sbt-projectmatrix 0.6.0 より JVM 軸と 2_13 軸はデフォルトとして、coreJVM2_13 でなはく普通に core とか util という名前のサブプロジェクトを生成することにした。

0.6.0 での新機能: 2.13-3.0 サンドイッチのサポート

Scala 3.0 は組み込みで Scala 2.13.x に対するインターオペラビリティを持ち、2.13.x ブランチでも最近になって TASTy reader という Scala 3.0 インターオペラビリティ機能が追加された。詳細は省くとして、これを用いて 1つのサブプロジェクトは Dotty 別のサプブロジェクトは 2.13 を使うといったことが可能となる。

sbt-projectmatrix 0.6.0 はサプブロジェクトのマトリックスを複数作って、2.13-3.0 サンドイッチが必要ならば自動的に検知して配線できるようにした:

val scala212 = "2.12.12"
// TODO use 2.13.4 when it's out
val scala213 = "2.13.4-bin-aeee8f0"
val dottyVersion = "0.23.0"
ThisBuild / resolvers += "scala-integration" at "https://scala-ci.typesafe.com/artifactory/scala-integration/"


lazy val fooApp = (projectMatrix in file("foo-app"))
  .dependsOn(fooCore)
  .settings(
    name := "foo app",
  )
  .jvmPlatform(scalaVersions = Seq(dottyVersion))

lazy val fooCore = (projectMatrix in file("foo-core"))
  .settings(
    name := "foo core",
  )
  .jvmPlatform(scalaVersions = Seq(scala213, scala212))

lazy val barApp = (projectMatrix in file("bar-app"))
  .dependsOn(barCore)
  .settings(
    name := "bar app",
  )
  .jvmPlatform(scalaVersions = Seq(scala213))

lazy val barCore = (projectMatrix in file("bar-core"))
  .settings(
    name := "bar core",
  )
  .jvmPlatform(scalaVersions = Seq(dottyVersion))

これは sbt/sbt#5767 をバックポートするため、sbt 1.2 移行から 2.13-3.0 サンドイッチ機能が使えるようになる。

まとめ